原発事故が起こった直後、大量の汚染水が海中に放出された経緯がありますので特に不思議に思うことはないですが、ストロンチウム90は半減期が29年と長い上、海洋生物に摂取された場合、食物連鎖によって生物濃縮がされていきます。メディアで盛んに取り上げられているヨウ素やセシウムなどの放射性物質とは訳が違います。
生物濃縮については当初、水産庁などが不定的に説明をしていましたが、今は当の水産庁自身が認めています。今後調査の範囲は広げていくということですが、ストロンチウム90については現時点でまともに海洋汚染の調査がなされていません。その上、水産品の放射能汚染調査は頭の部分を取ってしまったりと、不思議なルールで測定がなされていて、人間が実際に食する際の汚染濃度の信憑性が足りていなかったりもします。
影響の完全な調査が実質的にできないためか、やむをえないとはいえ東電が汚染水を海洋へ放出するのには確信犯的な部分があるようにも思いますね。
拡散して薄まっていくことを考えると、魚が海水を経口での(エラか)摂取だけで被爆する量は少ないように思いますが、生物圧縮の場合は話は違います。ストロンチウム90はカルシウムと似た動きをしますので、生物の骨や歯に蓄積されやすいのが特長です。汚染したプランクトンや海草などを食した小魚などの汚染濃度は小さいですが、それがより大きな魚に食され、そのたびに蓄積度が増え、最終的に食物連鎖の頂点にいる人間が食す事になる中~大型魚では相当量の放射性物質を摂取することになると思います。
臨床実験によると体内に摂取したストロンチウムは、多い状態では摂取量の4分の1程度、通常の状態であれば摂取量の1~2割程度が骨に移行します。そしてなかなか減らない。将来的には(強烈な痛みを伴う)骨の癌や、白血病のリスク要因となります。
福島で放出された汚染水は親潮に乗って南下し、房総半島あたりで黒潮にぶつかりそのまま東へと拡散していきます。親潮はサンマなど、黒潮はカツオなど、それぞれ人間が水産品として食する魚が移動するルートであり、それは数年かけて太平洋を東に向かって、汚染水が拡散していくルートと同じようなルートを広い範囲で回遊します。
海中には空気中に放出されたものとは恐らく比較にならない量の放射能物質が放出されている筈なので、対策が遅れれば、数年後に陸揚げされる海産物の多くに影響が出て、僕らは日本近海で獲れた魚を口にすることができなくなる可能性もあるように思います。
それどころか、税金なのか国債なのかわからないですが日本が復興のために担保した資産を目当てに、海洋汚染や水産被害などの補償を求め、群がってくる国はきっと中国などの隣国だけでは済まない気もします。
自分自身や家族の健康を考え保身的な行動をとるだけではなく、日本のインテリジェンスや産業界を含め一丸となった対策をやっていく必要があるかも知れません。復興もそうですが、政府や行政だけに丸投げして解決できるような話ではないと思います。

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